おむつかぶれ
尿や便の刺激、おむつと皮膚のこすれなどが原因となり、おむつをあてている部分が赤くただれます。
《おむつかぶれの症状》
陰部やおしりを主体におむつがあたる部分の皮膚が赤くなります。
赤い小さなぶつぶつが見られたり、ひどい場合にはただれて皮膚がむけた部分ができることもあります。
肛門の周りに輪をかいたような赤い部分がみられることもあります。
《おむつかぶれの原因》
尿と便があるとアンモ二アが発生し、アルカリ環境になると便中の蛋白分解酵素や脂肪分解酵素の作用が活性化されて、むれてふやけバリア機能が弱くなっている皮膚を刺激して炎症をおこし皮膚炎(おむつかぶれ)を生じます。
⇒すなわち尿や便で汚れたおむつを交換しないとおむつかぶれがおこりやすいことになります。
またおむつの素材が皮膚の表面を傷つけたりしても起こりやすくなります。
《おむつかぶれの治療》
炎症が軽いときは患部を清潔にして亜鉛華軟膏などの保護剤を主体としたぬり薬をおむつ交換時に塗布します。
炎症がひどいときはステロイド外用剤で炎症をおさえます。
皮膚がただれているときはアズノール軟膏などの傷を治癒する薬も使用します。
《おむつかぶれのスキンケア》
- こまめにおむつをかえましょう。
- ぬるま湯でおしりをきれいに洗いましょう。
おしりを洗えないときは、ぬるま湯でぬらしたタオルなどでこすらずにふきましょう。 - おしりふきはついている薬品などでかぶれることがあるので注意。
ノンアルコールなど刺激の少ないものを使用しましょう。
カンジダに注意
おむつかぶれの治療薬でなかなか赤みがひかない、赤い部分のまわりに細かい斑点状の赤みがでてきた、うすく皮膚がめくれてきたなどの症状がある場合はカンジダ菌が感染しているときがあります。(乳児寄生菌性紅斑) 顕微鏡で菌の検査をしてお薬を抗真菌剤に変更します。
※乳児寄生菌性紅斑(にゅうじきせいきんせいこうはん)
発汗や蒸れ、便の汚染などにより、カンジダ菌が原因でおこります。
赤ちゃんのおむつでかぶれる部分(陰部、股、おしりや下腹部)によく生じます。
皮膚が赤くなり、患部の縁の皮膚がうすく膜状にめくれたり、細かい赤い斑点が多数みられることもあります。
時々膿をもった黄色く小さい膿疱が混在することもあります。
おむつ皮膚炎との区別は、皮膚のシワで隠れる部分(股の付け根のシワの中など)には赤い発疹が見られないか軽く済んでいるようですとおむつ皮膚炎を考え、シワで隠れる部分にも赤い発疹が見られるようであれば乳児寄生菌性紅斑を疑います。
症状が急に変わることもあります。疑問な点や困った事がありましたら、なるべく早目におたずねください。