起立性低血圧症
起立性低血圧症とは
立ち上がった際に、めまいや失神がおこる病気です。午前中に出現しやすいのも特徴で、高齢者やこどもに多いです。
こどもは小学校高学年ころから出現し、思春期に多く、年齢とともに治っていきます。
原因
人の血圧や脈拍などは自律神経という仕組みにより、自動的に制御されています。
私たちが、寝たり座ったりしていた状態から立ち上がると、血液は重力により下半身の方に下がってしまいます。この時、脳に十分血液が流れていないと、脳貧血の状態が起きてしまいます。それが自律神経を通って脳に伝わり、脳は即座に判断し、反射的に心臓に心拍数を増やすように命令を送ったり、血液が下半身に下がり過ぎないように下半身の末梢の血管に収縮するよう命令を送ったりします。こうすることで、血液循環のバランスを保つことができています。しかし、この反射機構のどこかに障害がありうまくいかないと起立性低血圧が起こってしまいます。
起立性低血圧が思春期に多いのは、思春期は自律神経系が完成期であるからだといわれています。
遺伝性もあり、両親のいずれかに同じような症状があることも多いです。
診断
以下のような症状が3つ以上ある方は、起立性低血圧症(起立性調節障害)が疑われます。
- 立ち眩み、あるいはめまいを起こしやすい
- 立っていると気持ち悪くなる、ひどいと倒れる
- 入浴時、あるいはいやなことを見聞きすると気持ちが悪くなる
- 少し動くと動悸、あるいは息切れがする
- 朝起きが悪く、午前中調子が悪い
- 顔色が青白い
- 食欲不振
- 強い腹痛
- 倦怠あるいは疲れやすい
- 頭痛
- 乗り物酔い
その他の病気(貧血、甲状腺機能亢進症など)がないかを除外して診断をつけています。