アトピー性皮膚炎 - とみよしクリニック|愛西市、弥富市、津島市の耳鼻咽喉科・皮膚科、土曜・日曜日も診療しています。  

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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎とは皮膚にかゆみのある湿疹等の症状が出現し、良くなったり悪くなったりすることを繰り返す疾患です。
患者さんの多くは、

  • 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいはいくつかの疾患を持っている、あるいは家族にそのような患者さんがいる
  • またはIgE抗体を産生しやすい

というアトピー素因を持っています。
アトピー性皮膚炎は年齢とともに症状が起こりやすい場所が変わってきます。

乳幼児アトビー性皮膚炎

乳幼児アトピー性皮膚炎の症状

生後2ヶ月頃から頬や顎、頭に赤い湿疹やぶつぶつが見られ、首や体へと広がっていきます。じくじくしたり、かさかさやかさぶたがついたりします。頭皮の厚い黄褐色のかさぶたや耳切れも見られます。からだや腕下肢が乾燥し、毛穴がぶつぶつと目立つ鳥肌様皮膚が見られます。

診断

乳児のアトピー性皮膚炎は2ヶ月以上、上記の様な症状を繰り返していることなどを参考にして診断します。

検査

乳幼児のアトピー性皮膚炎には食物アレルギーが関与している場合があります。
スキンケア、外用療法でコントロールが悪い場合、特定の食物を摂取した後に症状がひどくなるなど食物アレルギーの関与が疑われる場合に血液検査などをおこなうことがあります。

小児アトビー性皮膚炎

小児アトピー性皮膚炎の症状

体全体が乾燥し、かさかさしてきます。ひじやひざの裏側に湿疹ができ赤みや、かき傷がみられます。触ると皮膚が少しこわごわした感じがする場合もあります。耳の周りに赤み、かさつきや耳のつけねに亀裂がはいるいわゆる「耳切れ」ができることもあります。

思春期から成人期のアトピー性皮膚炎

小児期アトピー性皮膚炎の患者さんの一部の方が思春期になってもなおらずに移行する場合とこの時期に発症する場合があります。

思春期から成人期アトピー性皮膚炎の症状

額や首まわり、四肢の関節部分の内側に皮膚が厚くなってごつごつした感じの部分(苔癬化局面)ができます。顔や体四肢の皮膚が乾燥しかさかさします。顔面の発赤や首の皮膚のさざ波様色素沈着や体に赤くかゆい湿疹がみられます。

アトピー性皮膚炎の治療

治療の3本柱はスキンケア、薬物療法、原因悪化因子の除去です。乳幼児期~小児期にかなりの自然治癒があり成人期に移行する例は少ないです。しばらくは症状がでたりひいたりして続きますが、スキンケアをしながら症状が悪くならないように上手にコントロールしていくことが大切です。

ステロイド外用剤

アトピー性皮膚炎の皮膚湿疹部分の炎症をおさめるのに使用する基本的な外用剤です。皮膚の症状や体の部位に応じて外用剤を使い分けます。長期間使用することで多く見られる副作用は塗った部分の皮膚が薄くなったり、細い血管がすじのようにういて見えてくるというもので、これは定期的に診察を受けて正しく外用剤を使用していれば充分防ぐことができます。

保湿剤

保湿剤をきちんと外用することにより湿疹の出現を予防できることが報告されています。外用量が不十分にならないように注意してしっかりと保湿ケアをおこないます。

抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤

アトピー性皮膚炎はかゆみにより皮膚を掻破することで皮膚症状が悪くなりますので、かゆみが強い場合などに内服します。

タクロリムス軟膏

免疫反応を抑制する作用のある軟膏です。ステロイド剤の様に皮膚を薄くする副作用がないので顔面などによく使用します。症状が良くなりステロイド外用剤の量を減量していきたい場合にも使用します。

紫外線療法

ナローバンドUVBやエキシマライト治療により皮膚の免疫反応を抑えアトピー性皮膚炎の症状を改善します。他の治療で反応が悪い時、硬いごつごつした痒疹結節ができている時などにおこないます。

漢方薬

漢方薬は体のバランスを整えて疾患を改善していく薬です。アトピー性皮膚炎の治療に投与する薬剤では偏ったリンパ球のバランスを正常化するように働く漢方薬、アトピー性皮膚炎の赤ら顔に有効な漢方、じゅくじゅくするようなかゆい湿疹に有効な漢方、ストレスを改善しかゆみを抑える漢方などがあります。小児でも内服できます。

免疫抑制剤

他の治療で難治な場合などにシクロスポリンの内服治療を試みる場合があります。