爪水虫(爪白癬 つめはくせん)
爪白癬(爪水虫)は爪に水虫菌が感染して起こり、爪が白~黄色く濁る、爪が厚く変形したり、もろくなる等の症状が現れます。
《爪水虫の治療法》
通常抗真菌剤の飲み薬で治療します。現在よく処方されている爪水虫の飲み薬は次の2種類があります。
- 毎日1錠、新しい綺麗な爪が生え変わるまで(6ヶ月程度)内服するもの。(治療期間は個人差があります。)
- 1週間に集中して内服し(1日2回朝夕食直後各4カプセルずつ飲みます。)、そのあと3週間お薬を休むことを3回繰り返すもの。バルス療法(3回の内服終了後は月1回程度爪の状態をチェックしていき、きれいな爪に変わるのを確認します。)
《飲み薬での治療を希望される方へ》
爪白癬(爪水虫)の飲み薬での治療を希望される方で、他の科のお医者さんから飲み薬をもらっておられる場合は、飲みあわせをチェックするため、内服中のお薬の内容がわかるものをお持ちください。
また健診や他科のお医者さんにかかられたとき採血検査をされた方は結果のわかるものがあればお持ちください。
《塗り薬による爪水虫の治療》
エフィナコナゾール外用液(クレナフィン爪外用液)
塗り薬ですが爪への浸透性が良く爪床(爪の下の皮膚部分)にも届き水虫菌を殺菌するように働く薬です。 1日1回罹患爪と皮膚との境目に行き渡るように塗ります。
ルリコナゾール外用液(ルコナック爪外用液)
成分のルリコナゾールは現在クリームや軟膏、液剤として処方されているルリコンに含有されていますが(いすれも1% ) ルコナックは5%と高濃度にし、爪への浸透性を高めています。1日1回の外用で爪白癬に働きを発揮する薬剤です。
体部白癬
顔面、体や手の甲、足の甲などの生毛部(体毛がある部分)にできた白癬で俗にタムシ、ゼニタムシとも呼ばれています。
典型的な症状は丸く輪を描いたような赤い発疹です。中心部が治癒傾向を示して赤みがひいていて、その縁の部分がかさかさとめくれているような状態になります。
抗真菌剤の塗り薬がよく効きます。広範囲の場合は内服治療をする場合があります。湿疹などと誤ってステロイド剤を使用すると典型的な発疹の形をとっていない場合がありますので注意が必要です。
新型水虫
新型水虫(トンズランス感染症)は頭や首などの上半身によくみられ、小さい赤く輪を描いたような円形の発疹がみられたり、頭皮では髪の毛が抜けたり、膿が出たりすることがあります。短く切れ埋もれた毛がみられることがあります。症状が出ない保菌者もいます。柔道やレスリングなどの格闘技の際に接触感染する例が多いです。感染力が強く、接触して数時間でうつります。自己判断で治療を開始しないで疑わしい症状があったらすぐ受診してください。
症状が急に変わることもあります。疑問な点や困った事がありましたら、なるべく早目におたずねください。